イラストで見るEBPTの実践
第6回 「中枢神経疾患治療に新しい風を送ろう」

社会医療法人財団慈泉会相澤病院 リハセラピスト部門
大塚 功

イラスト執筆:
大阪電気通信大学 総合情報学部
デジタルアート・アニメーション学科
しもはたふゆ

2. 脳卒中治療ガイドラインとEBPT

脳卒中治療ガイドラインとEBPT
先輩PT:
今日から具体的な理学療法プログラムが提供出来そうですね。
新人PT:
それについてなんですが、脳卒中合同ガイドライン委員会による「脳卒中治療ガイドライン2009」の「歩行障害に対するリハビリテーション」を見たところ、歩行障害に対するリハビリテーションとして推奨されているものに、短下肢装具を用いた歩行練習、筋電や関節角度を用いたバイオフィードバック、機能的電気刺激(FES)、BWSTT(体重免荷トレッドミル歩行トレーニング)が挙げられています。
これを実践すればEBPTになりますか?
先輩PT:
確かにガイドラインは、エビデンスレベルと推奨度が示されているので、臨床の指針となりますね。しかし、ガイドラインに沿って理学療法を行う際も、EBPTの実践における5つのステップが必要です。イラストで見るEBPTの実践の第3回 「ガイドラインに従ってもEBPTにならないの?!」で弘前大学大学院 保健学研究科の対馬栄輝先生書かれていますから参考にしてください。
それから日本における脳卒中治療ガイドラインは2009年の刊行です。ちなみにESO(欧州脳卒中機構)のガイドラインは2008年、AHA(アメリカ心臓協会)/ASA(アメリカ脳卒中協会)のガイドラインでリハビリテーションについて記されたのは2005年です。
最近の情報を臨床に取り入れるなら、協会のホームページにあるEBPTチュートリアルにアクセスして、「イラストで見るEBPTの実践」の第1回 「EBPT はじめの一歩」を読み、EBPTの進め方についての解説を参考にしてください。
新人PT:
はい、わかりました。

第6回 「中枢神経疾患治療に新しい風を送ろう」 目次

2017年10月23日掲載

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