今回は、当院でTKAを施行した患者に対し、NMESを併用した理学療法の介入を適用しました。一般的に、手術侵襲によって筋力や歩行能力は低下し、経過に応じて回復してきます。しかし、今回の評価時期とした術後3週程度の経過時間では、術前の能力まで回復させることが難しいと言われています。本患者においては、等尺性膝伸展トルクが術前よりも高値を示したことから、通常の理学療法にNMESを併用した効果だと考えられます。退院後の介入に関しては、治療機器を貸し出すことができず、6週間のNMESの介入はできませんでした。退院後の介入は別方法を考慮して、再度の論文検索を行う必要があると思います。
介入の際には、採用論文を参考にして電流強度を可能な限り上げましたが、強い電流は患者に疼痛を生じさせてしまうため、患者と相談した上で採用論文程度の電流の強さまで上げませんでした。論文の介入内容と相違があると思いますが、介入を適用するためには、患者の同意が必要となります。これはEBPTを展開していく上で重要な視点となります。