文献検索で286の研究を抽出し、そのうち股OAや運動に関する評価のない研究、徒手療法やハリ治療を含んでいる研究、術後のリハビリテーションに焦点を当てている206の論文を除外した。さらに、重複して発表された研究や運動による介入がない研究、ランダム化比較試験でない研究などを除外し、最終的に9つの研究(n=1,234名)が、選択基準を満たした。運動の頻度は週に1~4回(平均3回)、1回の時間は30~60分(平均52.5分)であった。フォローアップ期間は運動プログラムが開始されてから6~26週(中間値は8週)であった。
運動群とコントロール群の比較では、運動群に効果が認められ、その効果量は、0.39(95%信頼区間は−0.68~−0.008; P=0.01)であった。しかし、研究間に高い異質性(I2=75%)が認められ、介入方法が異なる1つの研究(対象者に個別指導がなされておらず遵守率も低い)が原因であることがわかった。この研究を除いた8つの研究(n=493)では、研究間の異質性は0%となり、運動による効果量は−0.47(95%信頼区間は−0.65~−0.28; P<0.0001)であった。さらに、膝関節症を合併する症例を除いた場合は、効果量が−0.58(95%信頼区間は−0.81~−0.35; P<0.0001)、異質性は0%であった。