研究デザイン:
無作為化臨床試験
対象:
子どもリハビリテーション病院の外来患者か元患者であり、取り込み基準は、7から13歳で、自力で椅子から立ち上がることができ、転倒しないで5秒以上立位を維持できること。また、下肢の他動的可動域の明らかな制限がないことであった。当初の30名の子供のうち、この基準を満たした外傷性脳損傷児10名(平均年齢9±3.3歳)は、いずれも閉鎖性頭部外傷で損傷後1年経過し独立歩行が可能であった。脳性麻痺児10名(平均年齢8.5±3.3歳)はGMFCSIあるいはⅡであった。
手順:
ベースライン測定後、子ども達は、介入群か対照群に無作為に割り付けられた。対照群の5人の脳性麻痺児、5人の後天的外傷性脳損傷児は、規則的な日常の活動を続けるように指示され、6週後に測定が行なわれた。介入群もまた日々の規則的な活動を続けることを指示され、加えて、6週間の間、一週に連続して5日間の家庭エクササイズを行ない、6週後に2回目の測定、さらにその6週後に3回目の測定が行なわれた。
介入:
立ち上がり、左右の下肢で前方と側方へのステップ、これを各エクササイズ1分間3セッションを、6週間に週5回、両親の管理下で実行された。各エクササイズの回数は、はじめ2週間は、初回測定の最大能力の50%、3週目から75%に設定された。
評価:
バランスの評価として、Functional Reach Test(FRT)、Timed Up and Go Test(TUG)。
歩行能力の評価として、10m歩行速度、2分間歩行テスト、エネルギー消費指数。
ハンドヘルドダイナモメーターを用いた股関節伸展筋・外転筋、膝関節屈筋・伸展筋の最大等尺性筋力が測定された。
統計:
2群間の比較にはマン・ホイットニー検定及びχ2検定を用い、介入群内での比較にはウイルコクソン符号順位検定を用いて分析した。