対象は、健常者20名(女性10名、男性10名)とした。実験はクロスオーバーデザインを採用し、各対象者に対して“PL照射”と“プラセボ照射”の2条件を実施順序を無作為とした上で日を改めて実施した。実験手順の概要については、対象者は各条件ともに安静座位を10分間保持した後、デジタル握力計を用いた利き手の最大握力の測定を受けた。次に、対象者は、筋疲労課題として利き手でのRRH(最大握力でのデジタル握力計の把持運動を1分間に30回反復する)を9分間実施した(以下、W1)。その後、対象者は、休息期間として20分間のPL照射もしくはプラセボ照射を受け、引き続き前述のRRHを3分間実施した(以下、W2)。PL照射およびプラセボ照射にはPL治療器(Super Lizer HA-30、東京医研)を使用し、RRHに関わる利き手の前腕の屈筋群(浅指屈筋、橈側手根屈筋、長掌筋)の運動点に対して半径10mmのスポット照射を照射5秒、休止1秒のサイクルで20分間実施した。なお、照射出力は、PL照射では使用機器の最大出力となる1.8W、プラセボ照射では最大出力の10%に設定した。実験中の測定項目は、筋疲労に関する指標としてRRH実施中の握力と自覚的な筋疲労感(修正Borgスケールにて測定:以下、Fs)、生理学的反応に関する指標として血中乳酸値(利き手の示指指尖部にて測定:以下、La)と筋酸素動態(利き手の浅指屈筋筋腹中央にて近赤外線分光法を用いて総ヘモグロビン量、酸化ヘモグロビン量、還元ヘモグロビン量を測定:以下、Total-Hb、Oxy-Hb、Deoxy-Hb)、皮膚温(利き手の浅指屈筋筋腹中央にて測定)とした。