E-SASの構成は、理学療法士が直接的・専門的な視点から評価する運動機能及び動作能力指標と、それらの能力向上の波及効果として向上が期待される心理社会的評価項目から成り立っています。
そして、介護予防に取り組む全ての人に役立つように工夫されています。

E-SASの6つの評価項目の意味

1. 生活のひろがり(LSA)

全体的な身体活動性を生活空間といった側面から評価することができる。運動機能の向上は生活空間を拡げる。

2. ころばない自信

身体活動の中止や参加に影響を及ぼし、自己効力感が低いと活動性の低下となりやすい。

3. 入浴動作

基本的日常生活動作の中で最も難易度の高い動作であり、基本的日常生活動作評価としての最終的達成項目となる。

4. 歩くチカラ(TUG)

移動能力を把握するための最も簡便で有効な検査法の一つである。

5. 休まず歩ける距離

高齢者の基礎体力に関わる歩行のパフォーマンスに関する指標となる。

6. 人とのつながり

地域や人との関係性が希薄化して孤立すると、心理、社会的な閉じこもり状態となり、長期的にはうつ傾向や身体機能の低下を惹起する。社会的ネットワークが向上すれば活動性が向上し、QOLの向上にも寄与する。

レーダーチャート

イキイキ地域生活度は個別アドバイスシートの中の、六角形のレーダーチャートで表されています。介護度別基準値を反映させ、一般高齢者が80点、特定高齢者が60点、要支援1が40点、要支援2が20点に相当しています。「六角形の面積が大きくなること」「六角形の形のバランスが良いこと」を目標とするとよいでしょう。

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評価項目別アクションプラン

1. 生活のひろがり(LSA)

参加者(高齢者)に毎日の自分の生活空間を振り返えってもらう。
指導者は、参加者(高齢者)が問題意識を持つきっかけや外出への意欲につなげ、生活のひろがりを促す働きかけをする。

イキイキ地域生活活動表1」の活用がお奨め!

2. ころばない自信

自己効力感は、成功体験や周囲からの良い評価により高まるといわれている。
参加者(高齢者)には毎日の活動を増やしてもらいながら、指導者はプラスのフィードバックを増やし、「自信を高める」働きかけを積極的に行う。

3. 入浴動作

身体機能、不安傾向、環境など様々な要因が組み合わさって現状を表している。
なぜできないのかを分析し、それを補うことにより達成可能となる。

「E-SAS 評価用紙 【PDF:232KB】」にある“入浴動作”a~eを1つ1つ練習すると良い。

4. 歩くチカラ(TUG)

すべてのADLの基本は移動能力である。
参加者(高齢者)のADL能力に応じた移動能力を付けることが必要である。
自宅での運動メニューを作成し、かつ継続できるように働きかける。

イキイキ地域生活活動表2」の活用がお奨め!

5. 休まず歩ける距離

一度に歩ける距離が長くなるほど、生活空間は広がりやすい。
「4. 歩くチカラ」や「6. 人とのつながり」と合わせて、毎日継続できるような働きかけをする。

6. 人とのつながり

人はひとりでは生きられない。また人とのつながりを意識することにより、心身ともに健康的な生活を維持できる。
自分の生活を自分で管理する意識付けを指導する。

イキイキ地域生活カレンダー」の活用がお奨め!

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