教育情報ネットワーク調査報告
日本理学療法学会の各分科学会・部門が考える教育について、調査を行った結果です。第8回日本理学療法教育学会でポスター報告したものをアップいたします。
調査項目
1.卒前教育について
(1)貴学会・部会 が理学療法士(新人)に求める『卒業時に終えていて欲しい教育(卒前教育)』はどのような内容でしょうか?
(2)で挙げた卒前教育の到達について達成したとするには、どのような基準(水準)が必要でしょうか?
2.卒後教育について
(1)貴学会、部門が求める理学療法士の卒後教育の到達目標を立てるとすれば、どのような内容でしょうか?
(2)到達目標を達成したと判断するには、どのような基準(水準)が必要でしょうか?
3.その他
理学療法士の教育として必要だと思うことをお書きください。
- 日本理学療法教育学会
- 1-(1)
- 基礎的知識(国家試験に対応できる知識レベル)や基本的評価技術(全ての養成校において実施・保証されるべき基本的な水準)の修得をして欲しい
- 教育学、教育方法論(主に臨床教育)について学び、将来の理学療法教育や患者教育を理解して欲しい
- 臨床実習にどのような態度で向かい、何を実施していいのか理解しておいて欲しい(社会人基礎力、人間関係調整力、臨床参加型実習の必要性)
- 医療職者として生涯学習の必要性を理解するとともに、理学療法士の生涯学習システムについて理解し、卒業後に生涯学習に自ら学び、取り組む態度を醸成しておいて欲しい
- 職業倫理を身につけて欲しい
- 国家試験の合格
- 臨床実習前の共用試験(OSCE)の合格、臨床実習の合格
- 理学療法士が日常の臨床現場で実施しているあいさつや自己紹介をはじめ、情意面側面全般が患者や対象者が違和感なく受け入れてくれるような言動や行動全般をできること。
- 理学療法士に必要な教育について説明できる
- プロフェッショナルとして後進育成に関わる必要性、理学療法士の生涯学習について説明できる
- 職業倫理について説明できる
2-(1)- 卒後教育は、理学療法士としての質の保証、質の向上を目的とする
- 後進の育成に真摯に向き合える理学療法士の育成(後進の育成として職場内教育・新人教育に関わることができる)
- 臨床実習指導者として臨床教育に携わり、理学療法教育の一端を担う
- 社会的に認知される理学療法士を養成する臨床・教育に長けたスペシャリストの育成(生涯学習を実践し、認定理学療法士・専門理学療法士等の認定資格を取得する)
- 外的水準に併せ、高質水準に向けた卒後の教育ラダー(生涯学習システム)が必要
- 協会の卒後教育を継続して履修し、認定理学療法士・専門理学療法士等の認定資格を取得する
- 臨床実習指導における実習生からの評価
- 協会のプログラム以外の生涯学習の継続
- 患者や対象者が望む理学療法士に必要な資質を身に着けていること
- 実習生が模範とするような理学療法士像を確立していること
- 新人理学療法士を教育的観点から育成する方法論を持った理学療法士であること(新人教育におけるプリセプター等で後進指導に従事する)
- 臨床実習指導者講習会の修了証を取得する
- 専門職としてのプロフェッション教育
- 諸外国の教育状況との定期的な情報共有
- 時代の変化を恐れず,順応しながら最適な教育を模索すること
- 新しい教育手法,デバイスに積極的にチャレンジすること
- 知識・技術・態度の3側面の成長を促す卒前・卒後教育と対象者のために生涯学習を自ら続ける力が身につくように教育することが必要だと思う
- 教育評価を行う際に影響を及ぼすバイアスについて理解する
- 先人の理学療法士としての役割は後進の育成にある。理学療法士が1つの独立した社会集団である以上、臨床家として、教育者としての素養を身に着けることが必要である。したがって、臨床現場で活躍する理学療法士は、現場に即した理学療法士の育成を卒後教育で、教育現場で活躍する理学療法士は理学療法士の基盤を卒前教育で、どちらとも教育的概念と手法をキーワードとして育成に当たらねばならない。
- 患者に対する動作指導ならびに家族に対する介助方法の指導などを行うことが教育であるという「人に指導すること=教育」という認識の理解に務める。
- 臨床倫理教育
- 日本基礎理学療法学会
- 1-(1)
- 基礎理学療法学(解剖学、生理学、運動学、統計学など)、臨床と研究の土台となる基礎学問の修得
- 卒業研究を通して、一連の研究の流れを体験する
- 臨床実習において基礎理学療法学に関する研究論文を活用できる
- 臨床において基礎理学療法学に関する研究論文を活用できる
- 症例報告や症例発表で,基礎理学療法学に関する研究論文を適切に引用できる
- 研究成果の論文発表
- 日本呼吸理学療法学会
- 1-(1)
- 呼吸理学療法に関わる解剖,生理,主な対象疾患に関する知識
- 基本的な呼吸理学療法の評価,治療技術とリスク管理,効果判定のあり方
- 具体的には
- 呼吸機能障害の特徴と障害像の理解
- 血液ガス分析,肺機能検査や画像所見などの検査データの解釈方法
- フィジカルアセスメントや呼吸困難,運動能力,ADL,QOLなど基本的な呼吸理学療法評価の実践と解釈方法
- 検査データや理学療法評価などからの病態の解釈と理学療法プログラムの立案
- 適切なリスク管理と緊急時の対処方法
- 呼吸練習,呼吸筋トレーニング,運動療法,気道クリアランス法(気管吸引を含む)など基本的な呼吸理学療法の実践
- 早期離床を含むearly mobilizationの概念の習得
- 基本的な呼吸理学療法の評価と治療介入を理解し,助言・指導を受けながら行えること
- 多様な領域で標準的呼吸理学療法を臨床実践できる
- 各種呼吸器疾患(COPD,間質性肺炎など),神経筋疾患,各種外科手術や人工呼吸器症例などの特徴を踏まえて標準的呼吸理学療法を臨床実践(臨床経過と適宜の評価に基づいて治療介入)できる
- 急性期,回復期,維持期の特徴を踏まえて標準的呼吸理学療法を臨床実践できる
- 小児,成人,高齢者の特徴を踏まえて標準的呼吸理学療法を臨床実践できる
- 適切なリスク管理ができる
- 介入の効果判定ができる
- 1人で安全に実施可能(適宜,同僚や他職種からの援助,情報共有が可能)であり,学生や後輩を指導できるレベル
- 医療(理学療法)倫理,基本的資質(接遇も含む),安全管理,生涯学習,理学療法の科学的探求,関連法律,職場管理,マネージメントなど
- 日本小児理学療法学会
- 1-(1)
- 一般的評価はある程度、実施可能までとし、治療プログラム立案、実施までは不十分ながらもできることが望ましい。
- 治療プログラム立案までのクリニカルリーズニングが可能であれば、勉強しながらでも様々な症例に対応できる能力が身につくと考える。
- 研究の一連の流れを学習する
- 基本的な小児疾患の病態の理解(画像所見、身体症状など)
- 基本的なリスク管理の知識と技術
- 一般的な理学療法評価(ROM、MMTなど)の知識と技術
- 標準的な理学療法の評価指標(TUG、SIAS、BBSなど)の知識と技術
- 小児特有の理学療法の評価指標(GMFCS、GMFM、PEDI、遠城寺式、新版K式など)の知識と技術
- ガイドラインで推奨される理学療法の理解と、それに基づくプログラム立案能力(運動療法、装具療法、物理療法、運動量など)
- 基本的なハンドリング技術
- 対人スキル(コミュニケーション)
- クリニカルクラークシップによる実習地での経験と,学内におけるOSCEなどを利用した技術の確認
- 国家試験レベル程度の知識
- 現在実習指導者研修会で提示されているようなレベル分け(水準の段階づけ)・各専門領域の講義等で、ケースをまとめる学習
- 卒業研究単位の必修化(卒業研究を行っていない養成校があると聞いています)
- 様々な症例に対する評価~治療の実践を基本とし、治療方法を習熟させる。
- 臨床研究を行い、学会発表を行う
- 科学的な比較・検証によって自身の理学療法を俯瞰的・批判的に吟味できること
- 基本的な代表的な疾患を評価し、最低限の運動療法ができる
- 基本、ジェネラリストを目指す(生涯学習と連動)
- チームアプローチ、連携(病期、地域など)
- 理学療法領域に限定しない専門学会での発表、専門雑誌への論文投稿
- 現在実習指導者研修会で提示されているようなレベル分け(水準の段階づけ)
- 専門理学療法士、認定理学療法士の取得
- 現在の認定理学療法士制度に加えて、都道府県市町村での症例発表を行う
- 研究発表を行い、ポイント化する(認定にふくめる)
- 上述の点を達成しようとする理学療法士は、現実的には一部であり、その他の理学療法士が生涯教育の重要性を理解でき、能動的に活動できるようにする働きかけやシステム作り
- 現在知識はかなり得る機会も多いが、ハンドリングなどの実技の学ぶ機会がすくない。
- 教育学の必修化(実習指導、患者への配慮などを考えると必修化が望ましい)
- 理学療法は治療であるので、専門領域教員の治療場面、およびクリニカルリーズニング実践を学生に見せて、学ばせること。
- 卒後教育として、研修医のような学習制度を日本理学療法士協会の助成で、年間何名か行う。
- 日本神経理学療法学会
- 1-(1)
- 基本的な神経疾患の病態の理解(画像所見、身体症状など)
- 基本的なリスク管理の知識と技術
- 一般的な理学療法評価(ROM、MMTなど)の知識と技術
- 標準的な理学療法の評価指標(TUG、SIAS、BBSなど)の知識と技術
- ガイドラインで推奨される理学療法の理解と、それに基づくプログラム立案能力(運動療法、装具療法、物理療法、運動量など)
- トランスファーなど、基本的なハンドリング技術
- 対人スキル(コミュニケーション)
- 中枢神経の障害を引き起こす主な疾患の病因,病態生理,症候,診断と治療を学ぶ。
- 小児の障害を引き起こす主な疾患の病因,病態生理,症候,診断と治療を学ぶ。
- 理学療法の実施に関係する画像評価を理解する
- 中枢神経疾患にかかる理学療法
- 発達に関する理学療法
- クリニカルクラークシップによる実習地での経験と,学内におけるOSCEなどを利用した技術の確認
- 国家試験レベル程度の知識
- 現在実習指導者研修会で提示されているようなレベル分け(水準の段階づけ)
- 科学的な比較・検証によって自身の理学療法を俯瞰的・批判的に吟味できること
- 基本的な代表的な疾患を評価し、最低限の運動療法ができる
- 基本、ジェネラリストを目指す(生涯学習と連動)
- チームアプローチ、連携(病期、地域など)
- 理学療法領域に限定しない専門学会での発表、専門雑誌への論文投稿
- 現在実習指導者研修会で提示されているようなレベル分け(水準の段階づけ)
- 専門理学療法士、認定理学療法士の取得
- 上述の点を達成しようとする理学療法士は、現実的には一部であり、その他の理学療法士が生涯教育の重要性を理解でき、能動的に活動できるようにする働きかけやシステム作り
- 現在知識はかなり得る機会も多いが、ハンドリングなどの実技の学ぶ機会が極端にすくない。
- 日本運動器理学療法学会
- 1-(1)
- 骨関節疾患に関わる基礎知識の習得だけでなく,学術的視点を持ち合わせた臨床推論を持てるような教育を実践していくことが望まれる.
- 養成校で行われている試験やOSCE(客観的臨床能力試験)による基準だけでなく,学術的教育(卒業研究や卒業論文)を行い,発表や論文として形に残していくことも必要と考える.その上で以下の基準が必要である.
- 運動器理学療法に関わる基礎医学の理解を深め,理学療法士としての礎を築く.
- 運動器理学療法の対象となる疾患・患者を理解する.
- それらの知識や実技経験を活用し,自ら問題を発見し追求・解決することができる.
- それらの知識や実技を活用し,理学療法士として必要な実践的な解決能力・技能,学術的視点が身に付いている.
- 運動器理学療法の対象となる疾患・患者を理解し,適切な理学療法を実践できる.
- 運動器理学療法や,それに関わる知識や実技経験,学術的視点を活用し,日々の臨床において自ら問題を発見し追求・解決することができる.
- 患者に対して安全性や倫理性に配慮した理学療法の実践ができる.
- 患者やその家族,メディカルスタッフや地域との連携が実践でき,コミュニティーネットワークを構築することが出来る.
- (1)で示した内容を基準とした評価項目が必要である.
- 卒後教育では,目標達成できたかを判断する評価者や機関などをどのように設置すればよいのかは今後の検討課題と考える.日々の臨床を評価できるのは,その職場の上司となり,各学会が判断できるものではない.様々な医療体制や領域がある中で,運動器学会の中だけでも共通した目標達成基準を設けるかは時間をかけて検討する必要があると考える.
- 日本支援工学理学療法学会
- 1-(1)
- 生活環境に関わる制度(バリアフリーの概念・ユニバーサルデザインの概念・関係する諸制度)
- 住環境整備の目的と方法
- 装具の種類(長下肢装具・短下肢装具)・選定・選定に必要な理学療法評価・
- 装具に関わる理学療法(長下肢装具・短下肢装具)
- 義肢の種類・適応・選定・選定に必要な理学療法評価(大腿義足・下腿義足)
- 義肢の適合評価(※詳細項目あり)
- 義肢に関わる理学療法(※詳細項目あり)
- 福祉用具の種類・適応・選定・選定に必要な理学療法評価
- 福祉用具の適合評価
- 福祉用具に関わる理学療法
- 歩行補助具の種類・選定・選定に必要な理学療法評価
- 歩行補助具の適合評価
- 歩行補助具に関わる理学療法(※詳細項目あり)
- 車椅子の種類(手動・電動、普通型、リクライニング型、リクライニング・ティルト型、手押し型など)
- 車椅子の適応・選定・必要な理学療法評価
- 車椅子の適合評価
- 車椅子に関わる理学療法(※詳細項目あり)
- 生活環境に関わる制度が説明できる
- 環境整備について必要な理学療法評価が監視下で実施できる
- 環境整備の方法が説明できる
- 装具の種類・適応に関する説明できる
- 装具の選定に関する説明が理解できる
- 装具の選定に必要な理学療法評価・適合評価が監視下で実施できる
- 装具に関わる理学療法が実施できる(※詳細項目あり)
- 義肢の種類・適応が説明できる
- 義肢の選定に関する説明が理解できる
- 義肢の選定に必要な理学療法評価が監視下で実施できる(※詳細項目あり)
- 義肢の適合評価が実施できる(※詳細項目あり)
- 義肢に関わる理学療法が実施できる(※詳細項目あり)
- 福祉用具に関わる理学療法が実施できる(※詳細項目あり)
- 歩行補助具の種類が説明できる
- 歩行補助具の選定・選定に必要な理学療法評価が監視下で実施できる
- 歩行補助具に関わる理学療法が実施できる(※詳細項目あり)
- 車椅子の種類・適応が説明できる
- 車椅子の選定に関する説明が理解できる
- 車椅子の選定に必要な理学療法評価が監視下で実施できる
- 車椅子に関わる理学療法が実施できる(※詳細項目あり)
- 生活環境に関わる制度について説明できる
- 疾患特性にあわせた生活環境の提案ができる
- 義肢・装具・福祉用具・車椅子・歩行補助具の選定ができる
- 義肢・装具・福祉用具・車椅子・歩行補助具に関わる理学療法知識と技術が最新のものに更新されている(※詳細項目あり)
- 生活環境に関わる制度が説明できる
- 疾患特性に合わせた生活環境の提案ができる
- 装具の種類・適応が説明できる
- 装具の選定・選定に必要な理学療法評価が実施できる
- 装具に関わる理学療法が実施できる(※詳細項目あり)
- 義肢の種類・適応が説明できる
- 義肢の適合評価・選定・選定に必要な理学療法評価が実施できる
- 義肢に関わる理学療法が実施できる(※詳細項目あり)
- 福祉用具の種類・適応が説明できる
- 福祉用具の選定・選定に必要な理学療法評価が実施できる
- 福祉用具に関わる理学療法が実施できる(※詳細項目あり)
- 歩行補助具の種類が説明できる
- 歩行補助具の選定・選定に必要な理学療法評価実施できる
- 歩行補助具に関わる理学療法が実施できる(※詳細項目あり)
- 車椅子の種類・適応が説明できる
- 車椅子の選定・選定に必要な理学療法評価が実施できる
- 車椅子に関わる理学療法が実施できる(※詳細項目あり)
- 日本心血管理学療法学会
- 1-(1)
- 循環器に関わる解剖(動脈、心臓、静脈、リンパ管系)
- 循環器に関わる生理学(血液、循環、代謝、内分泌、呼吸、体液など)
- 循環器疾患に関する病態の理解
- 基本的なリスク管理の知識と技術
- 循環器理学療法に関わる一般的な理学療法評価(フィジカルアセスメント、心電図など)の知識と技術
- ガイドラインで推奨される理学療法の理解とそれに基づく治療プログラムの立案
- 呼吸リハビリテーション、腎臓リハビリテーションおよび糖尿病理学療法の理解と融合
- 病歴の聴取ができる(心不全増悪因子を把握できる)
- 緊急時対応の模倣が可能(BLSやAEDの操作)
- 実習地における臨床実習の評価(但し、実習の評価方法に一貫性がなく、評価基準の統一が重要)
- 学内におけるOSCEなどを利用した技術の確認
- 学内におけるBLSやAED操作実施マニュアル順守の確認
- 理学療法共用試験(CBT)での評価
- 低学年次における心臓リハ(ないし内部障害理学療法)に特化した見学実習
- 循環器専門医(心臓リハ指導士持ち)による講義
- 心臓リハ(ないし内部障害理学療法)に特化した臨床実習
- 科学的な比較・検証によって自身の理学療法を肯定的・批判的に吟味できること
- 各疾患に応じた適切な評価を実施し、理学療法が実施できる
- チームアプローチ、連携(病期、地域など)ができる
- 循環器疾患患者に対する臨床推論ができる
- 多職種との症例検討に耐えうる知識と経験を有すること
- 学生及び卒後1-3年程度の理学療法士に対して一定の水準の教育が行えること
- 「心不全の心臓リハビリテーション標準プログラム」の必須項目の実践が可能
- 容体の悪化を把握して、急変を未然に防ぐことが可能
- 緊急時対応が可能
- 専門学会(循環器関連学会)での発表、専門雑誌への論文投稿
- 専門理学療法士、認定理学療法士の取得
- 臨床能力と研究能力の両面からの評価として、一定数の症例報告と一定量の学術業績を審査する仕組みが必要
- 臨床能力を評価する基準、システムの構築
- 卒前教育及び卒後経験に応じた到達目標(連結した学習ラダー)の明確化と可視化
- 指導を受ける者と指導者がともに使用できる新プロ・認定・専門などの経験・実績に応じた学習ラダーやより長期にわたる全体像が把握できるキャリアラダー
- 日本予防理学療法学会
- 1-(1)
- 予防理学療法学の定義
- 予防理学療法の領域
- 保健制度と保険制度
- (公的機関も含めた)多職種連携
- コミュニティ・プロモーションのマネジメント
- 研究法(の基礎)等
- カリキュラムの専門基礎分野「疾病と障害の成り立ち及び回復過程の促進」と、専門分野「理学療法管理学」等で実施されることが適当と考える。
- 各項目の内容について「理解し、説明できる」といった達成目標が基準になると思われる。
- 予防理学療法学テーマに含まれる各種研修会への参加
- 予防理学療法学会サテライト集会への参加
- 予防理学療法学会学術大会への参加により、日本理学療法士協会の生涯学習システムに沿った登録理学療法士や認定・専門理学療法士に向けた自己研鑽が到達目標となる
- 予防理学療法学の実践的活動を通じて登録理学療法士、認定・専門理学療法士を取得した場合に到達目標を達成したと判断する。
- 予防理学療法学を修めるうえで関連領域(生命倫理学、老年学、産業保健学など)の教育が必要になってくると思われます。
- 日本スポーツ理学療法学会
- 1-(1)
- スポーツに関係する理学療法について、対象となる外傷・疾患・障害
- スポーツ外傷後の急性期対応(一次救命措置の資格取得または、それに資する知識と技術)
- 上肢・下肢・頭頸部及び体幹における代表的なスポーツ外傷・障害とそれらに対する理学療法評価と基本的な理学療法
- スポーツ外傷・障害予防の意義について理解し、代表的な疾患に対する予防の考え方について説明できる
- 標準的な筋力トレーニングやエクササイズに関する基礎知識
- 下記の項目に関する知識(代表的な外傷・疾患に限定)を修得し、評価技術(特殊検査なども含む)や理学療法については重要なポイントが説明でき、検査・評価・理学療法の技術については適切な手順で実施できることを標準的レベルとする。これらを判定できるような基準が必要であると考えている。
- ①スポーツに関係する理学療法について、対象となる外傷・疾患・障害について説明ができる。
- ②スポーツ外傷後の急性期対応について説明ができる。
- ③上肢における代表的なスポーツ外傷・障害とそれらに対する理学療法評価と基本的な理学療法について説明できる
- ④頭頸部及び体幹の代表的なスポーツ外傷・障害とそれらに対する理学療法評価と基本的な理学療法について説明できる
- ⑤下肢における代表的なスポーツ外傷・障害とそれらに対する理学療法評価と基本的な理学療法について説明できる
- ⑥スポーツ外傷・障害予防の意義について理解し、代表的な疾患に対する予防の考え方について説明できる
- ⑦一次救命措置について説明と実施ができる
- 現在は、下記のように定めているが、卒前教育に含めてよい内容が含まれているので次年度以降の卒後教育システム変更に備えて検討している。
- ①スポーツに関係する理学療法について、対象や基本的な業務の内容等の概要について説明ができる。
- 我が国におけるスポーツの現状について説明ができる。
- スポーツ分野における理学療法士の任務・役割、具体的な業務について説明ができる
- スポーツ理学療法の内容について、その概要が説明できる
- ②上肢(特に肩関節)における代表的なスポーツ外傷・障害への基本的な理学療法について説明できる
- 肩前方脱臼についての病態を理解し、必要な機能評価や理学療法について説明できる
- 投球障害肩についての病態を理解し、必要な機能評価や理学療法について説明できる
- ③頭頸部及び体幹の代表的なスポーツ外傷・障害を理解し基本的な理学療法について説明できる
- 頭頸部のスポー外傷・障害の基本的な理学療法について説明できる
- 体幹のスポーツ外傷・障害の基本的な理学療法について説明できる
- ④膝関節と足関節における代表的なスポーツ外傷・障害への基本的な理学療法について説明できる
- 膝前十字靭帯(ACL)損傷、再建術後の基本的な理学療法について説明できる
- その他の膝スポーツ外傷・障害への基本的な理学療法について説明できる
- 足関節捻挫への基本的な理学療法について説明できる
- ⑤スポーツ外傷・障害予防の意義について理解し、代表的な疾患に対する予防的アプローチについて説明できる
- スポーツ外傷・障害の予防について、その考え方を説明できる
- 代表的なスポーツ外傷・障害における基本的な予防的アプローチについて説明できる
- ⑥一次救命措置(CPR & AED)の知識と技術を保持している
- 安全性を重視した一般的なリハビリテーションと、現場復帰までの期間短縮や高いパフォーマンス目標に特化したスポーツリハビリテーションの具体的な違いを理解している。
- ①スポーツに関係する理学療法について、対象や基本的な業務の内容等の概要について説明ができる。
- 上述した項目に関する知識を修得し、評価技術(特殊検査なども含む)や理学療法については重要なポイントが説明でき、検査・評価・理学療法の技術については適切な手順で実施できることを標準的レベルとする。そして、臨床あるいはスポーツ現場で、患者やスポーツ選手に信頼される適切な説明ができ、そのことを前提に信頼される最低限の理学療法技術を提供できることが必要と考えている。これらを判定できるような基準が必要であると考えている。
- スポーツ理学療法士やATなどの資格制度と業務分担の整備が必要ではないか。
- 認定理学療法士の資格取得/維持の必須項目として、PTにATの現場での実習を課してはどうか。
- 一次救命措置の資格は、認定理学療法士の資格取得/維持の必須項目としてはどうか
- 日本地域理学療法学会
- 1-(1)
- 健康の概念、保障制度の理解、健康と社会環境との関係性
- 人間の生活に影響する疾病や障害の理解
- 健康や生活に関する評価
- 地域理学療法の実際
- 健康の概念と、健康と社会環境との関係性について説明することが出来る。
- 入退院支援及び在宅生活に関連する公的制度について、流れや適応などを説明出来る。
- ICFに基づいて生活機能(生活障害)と各要因との関係性を説明できる。
- 健康や生活に関する評価項目を挙げることができる。
- 健康や生活に関する評価を指導者の助力を得ながら実施することができる。
- 地域理学療法の様々な分野や支援方法について説明することができる。
- 患者教育の必要性と具体的な方法について説明することが出来る。
- 理学療法士として、地域生活者の生活障害や健康課題、さらにはそれらの予防を目的とした個別的支援を行うための基本知識や技術を習得すること。(小児の発達や障害含む)
- 理学療法士として、地域生活者の集団に対して、生活障害や健康課題、さらにはそれらの予防を目的とした集団に対する支援を行うための基本知識や技術を習得すること。(特別支援学校・支援級等含む)
- 理学療法士として、地域が抱える生活障害の特性や健康課題、さらにはそれらの予防を目的とした地域支援(関係者支援)を行うための基本知識や技術を習得すること。
- 患者教育(小児の養育者に対する教育含む)
- 基本知識については研修受講や試験(?)さらには活動報告レポートの提出等により判断することが可能かもしれない。
- 技術の習得については、福祉用具の選定や調整、運動の指導法など、個別の技術については講習会受講、さらには受講後の活動レポート等で把握できるかもしれないが、
- 包括的な到達基準の把握は難しい。
- 地域理学療法が対象とする年齢層や生活障害、さらに健康状態は様々であり、そもそもの地域理学療法の対象や守備範囲、支援形態も多様である。一方で、地域理学療法=生活期、地域理学療法=高齢者というイメージを持っている学生も多いのではないかと考えられ、分科学会として、地域理学療法のついての概念整理を可能な範囲で行い、教育機関や卒後教育機関に対して伝えていく必要があるのでないかと考える。
- 日本糖尿病理学療法学会
- 1-(1)
- 糖尿病の病態について理解する
- 糖尿病に対する運動療法の効果を理解する
- 糖尿病特有の合併症に対する理学療法士としての関わりを理解する
- (1)の内容を含んだ実技および記述試験による評価
- 糖尿病患者(糖尿病合併例を含む)に対して実際に運動指導を行う
- 糖尿病特有の合併症を配慮した理学療法プログラムの立案ができる
- (1)の内容を含んだ実技および記述試験による評価
- 産業理学療法部門
- 1-(1)
- 保健・医療・福祉制度の概要について知る
- 保健領域、特に産業保健領域で活躍する職種とその業務内容を知る
- 労働安全衛生について知る(特に労働の3管理)
- 保健・医療・福祉領域での理学療法士のかかわりを理解する
- 産業保健領域での多職種の業務内容を理解し、理学療法との関係性を理解する
- 労働の3管理における理学療法士のかかわりを理解する
- 産業理学療法部門における認定制度確立を目指す
- 具体的には認定理学療法士(産業理学療法)を実現させる
- 協会における認定取得のための試験制度の整備と認定理学療法士試験策定など。
- 産業保健領域を含めた公衆衛生に関する知識
- 予防に対する理学療法の制度を含めた知識の獲得
- 精神・心理領域理学療法部門
- 1-(1)
- 基本的な精神症状の概念がわかる。(理解する)
- 認知症のBPSDの概念がわかる。(理解する)
- 認知症の4亜分類(アルツハイマー病、レビー小体病、前頭側頭型、脳血管性)の特徴がわかる。(理解する)
- 基本的な精神症状:知的能力低下、幻覚、妄想、感情障害(躁、うつ)、自我意識障害、意欲(精神運動)、病識、不安、恐怖
- 第1水準
- 基本的な精神症状の定義が言える。
- 認知症のBPSDのうち代表的な10の臨床症状が言える。
- 認知症の4亜分類(アルツハイマー病、レビー小体病、前頭側頭型、脳血管性)の特徴がわかる。(理解する)。
- 基本的な精神症状:知的能力低下、幻覚、妄想、感情障害(躁、うつ)、自我意識障害、意欲(精神運動)、病識、不安、恐怖
- 基本的な精神症状の評価ができる。
- 認知症のBPSDの評価ができる。
- 第2水準
- ペーパーペーシェント等で基本的な各精神症状の有無が判断できる。
- ペーパーペーシェント等で代表的な10のBPSDの有無が判断できる。
- 第3水準
- 精神障害者の臨床において、基本的な各精神症状の有無が判断できる。
- 認知症者の臨床において、代表的な10のBPSDの有無が判断できる。
- (精神症状の評価は豊富な経験と職場内研修が不可欠である。第1段階として、精神科医師、他部門の情報、精神症状評価尺度より精神症状の有無を判断し、症状を認識できることとする。第2段階として、単独で精神症状の有無、評定が難しいときは継続評価の必要性の3段階で評価が可能であるとする。)
- 精神障害者、精神障害合併患者への対応を見据え「精神疾患(障害)理学療法」(仮称)2単位程度必須で必要と考えます。
- 症例の多い認知症、統合失調症、気分障害(うつ病)等については特に必須と考えます。
- 理学療法管理部門
- 1-(1)
- 1 )リハビリテーションにおける管理学とは(総論)
- 「理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則」改正の概要。理学療法管理学の授業で学ぶこと。なぜ理学療法管理学が必要か。
- 2) 理学療法士を取り巻く社会的背景やニーズの変化
- 社会保障と医療・介護保険制度、診療報酬について。地域包括ケアシステムにおけるPTの役割。世界の医療保険制度。マネジドケアと理学療法。
- 3) 自分自身をマネジメントする①: 職業倫理。理学療法士の職業倫理。プロフェッショナリズム
- 4 )自分自身をマネジメントする② :接遇
- 5 )自分自身をマネジメントする③:理学療法学教育に必要なマネジメント能力(時間管理・タイムマネジメント(段取り力))
- 6 )リハビリテーション部門をマネジメントする①: 組織体制と運営(組織とは。様々な組織形態。医療の質とは。ドナベディアンモデル:構造(structure)」・「過程(process)」・「結果(outcome)」。PDCA(EPDCA)サイクル)
- 7 )リハビリテーション部門をマネジメントする②:SWOT分析。BSC(バランススコアカード)による目標管理。外部審査について(病院機能評価,ISO9000,JCIなどの紹介)
- 8) 理学療法業務をマネジメントする①: 管理者に求められる資質。管理者の役割(トップ・ミドル・プレイングマネジャー)と管理手法(チームビルディングなど)。リーダーシップとマネジメントの違い。
- 9 )理学療法業務をマネジメントする②: 診療プロセス(処方箋・説明と同意・計画書・診療記録)
- 10 )理学療法業務をマネジメントする③:職場管理・労務管理(ヒト、モノ、カネ、情報)
- 11) 理学療法業務をマネジメントする④:人事計画と職員管理(ストレスチェック、メンタルヘルス、ハラスメント予防、人事考課)
- 12 )理学療法業務をマネジメントする⑤ :職場教育と人材育成(社会人基礎力、キャリア形成、Off -JTとOJTの連携、コーチングとティーチング)
- 13 )チーム医療をマネジメントする①:チーム医療とは。チーム医療の実践。リハビリテーションと地域連携。コミュニケーションスキル。コンフリクトへの対応。
- 14) チーム医療をマネジメントする② :リスクマネジメント。医療安全・感染予防のための取り組み。
- 15 )職能・学術団体としての理学療法士協会: 理学療法士の身分法とその職能団体。生涯学習制度。
- 3年後の目標を設定できる
- 社会人、医療人として必要なコミュニケーション能力(ホウレンソウができる)
- セルフマネジメントができる(遅刻をしないなど)
- 一般的な接遇(身だしなみ、笑顔、挨拶など)ができる
- 一定の能力要件を満たした複数のスタッフからの客観的評価
- 管理部門が求める到達目標は診療技術のそれよりも標準化しにくいが、最小限の基準値を暫定的にでも規定して、ブラッシュアップしていく。
- 1 )リハビリテーションにおける管理学とは(総論)
- ウィメンズ・メンズヘルス理学療法部門
- 1-(1)
- 基本的にコアカリキュラムの学習目標を踏まえ、以下の項目について説明できることを目標とする。
- C-3)各ライフステージの人間理解
- C-3-7)人間発達過程における性差について理解する
- ①第1次性徴・第2次性徴について
- ②発達過程における性差について
- ③ライフイベントの性差について
- D-12)内部障害と臨床医学
- D-12-5)腎・泌尿器疾患
- ⑤一般的な腎・泌尿器疾患について説明できる→腎不全,下部尿路疾患
- D-12-6)生殖器疾患
- ⑤一般的な生殖器疾患について→ 乳がん,子宮がん,卵巣がん,前立腺がん
- E-6)障害別の理学療法技術
- E-6-9)ウィメンズヘルス・メンズヘルスにおける理学療法
- ①ウィメンズヘルス・メンズヘルスにおける理学療法士の役割について
- ②ウィメンズヘルス・メンズヘルスにおける理学療法について
- E-6-11)その他の障害などについての理学療法
- ④排泄(排尿・排便)障害に対する理学療法
- ⑤産科・婦人科領域の機能障害に対する理学療法
- 説明が出来る(各養成校の試験で評価する)
- 国家試験レベルの問題に答えられる。
- 以下の内容の知識・技術を習得すること。
- レベルⅠ(共通):骨盤底の解剖・生理・運動
- 1. 骨盤底の解剖(骨・靭帯・筋),運動(機能),骨盤内臓器(膀胱・子宮・腸)
- 2. 実技(体表触診),理学療法評価(会陰腱中心・尾骨・肛門挙筋)
- 3. 排泄機能(排尿・排便の生理学的機序)
- 4. 骨盤底と他部位との関連性,骨盤底筋トレーニングの基礎(収縮・弛緩・ bulging)
- 5. 実技(骨盤底筋トレーニング,PERFECT等)
- レベルⅡ(共通):臨床医学(泌尿器科・産婦人科)
- 1. 泌尿器科1:下部尿路症状
- 2. 泌尿器科2:検査・評価方法(フローボリューム,ウロダイ),治療法(アルゴ リズム),PTが知っておくべきリスクやその管理
- 3. 産婦人科1:妊娠中(初・中・後期)に生じる母体の身体的変化
- 4. 産婦人科2:検査・評価方法,治療法(アルゴリズム),PTが知っておくべき リスクやその管理,妊婦における理学療法介入基準
- レベルⅢ(骨盤底)
- 1. 骨盤底のクイックレビュー,泌尿器科の病態(SUI・UUI・MUI)
- 2. 理学療法評価:問診(問診票,排尿日誌),骨盤底評価(骨盤のアライメント評価・腹壁(Tr.A,DRA)評価・腹腔内圧上昇時の評価を含む)
- 3. 骨盤底筋トレーニング
- 4. 超音波エコーを用いた評価とレーニング:経腹法(短軸・長軸)
- 5. 泌尿器科の病態(POP,性機能障害,メンズヘルス,CPGP)
- 6. 理学療法評価:問診(問診票,排尿日誌),骨盤底評価,膣圧計による評価
- 7. 超音波エコーを用いた評価とトレーニング:経会陰法(長軸)
- 8. 骨盤底筋トレーニング(release,BFB:経膣筋電図)
- 9. デバイスを用いた評価・PFMT:低周波刺激療法,磁気刺激療法,干渉波刺激
- 10. デバイスを用いた保存療法:リング(ペッサリー),膣コーン等
- レベルⅢ(産前産後)
- 1. 骨盤底のクイックレビュー,妊娠・出産における身体機能の変化
- 2. 産後の機能障害(尿失禁・骨盤臓器脱・便秘・便失禁・恥骨痛・仙腸関節痛等)
- 3.理学療法評価:問診(問診票),骨盤底評価(骨盤のアライメント評価・腹壁(Tr.A,DRA)評価・腹腔内圧上昇時の評価を含む)
- 4.産後機能障害(腰痛,腱鞘炎,恥骨痛,仙腸関節痛,尾骨痛)に対する理学療法
- 5. 超音波エコーを用いた評価とレーニング:経腹法(短軸・長軸)
- 6. 妊娠・出産における身体機能の変化
- 7. 妊娠・出産時の理学療法実施におけるリスク管理
- 8. 理学療法評価:問診(問診票),骨盤帯・腹壁の評価,運動器理学療法評価
- 9. 産前機能障害(肩こり,腰痛,恥骨痛,仙腸関節痛,手根管症候群)に対する理学療法
- 10. 出産・産後に向けた予防理学療法(出産時体位,母乳関連,育児姿勢,抱っこ紐の使用方法等)
- 部門主催の研修会(レベルⅠ~Ⅲ)の受講を必須条件とし,過去5年間の学術論文や学会発表,協会(部門)公認研修会講師,学会参加,協会(部門)公認研修会受講,講習会・研修会の受講,著作物,論文・学会演題等の査読,大学院修了の読み替え,臨床実習指導者としての業績,学会・部門が定める資格などのいずれかを満たしていることを総合的に判断できるような基準が必要であると考える。
- 1)当部門の専門分野について
- 評価学、運動器領域等の科目において、性差をふまえた機能解剖学的内容について
- 性差を踏まえた機能解剖学的内容の学習が、将来的にどのように役立つか、現在のPT領域の中でどのように生かして活動できるかを示すこと
- 理学療法養成校教員向けの研修・講習会
- ⇒当部門の専門的な内容を,専門外の教員が教えることは現実的ではないが,例えば解剖学(例;骨盤底筋),内部障害(例;下部尿路障害),運動系評価学(例;女性に多い腰骨盤帯痛)等で触れながら教えることは可能である,ということを伝える機会が必要と考える
- 2)教育全般について
- 専門分野におけるガイドラインの認知と活用方法(アドバンス的要素として)専門分野における医学的モデルの認知
- 研究論文、システマティックレビュー等の読解方法と臨床への応用方法
- マネジメント教育
- キャリアラダー,生涯教育について
- PTとしての働き方も多様化している中,早い段階から将来計画を意識し,新生涯学習制度のことなども知る機会が増えるとよいのではないか。
- 管理学等の科目において、キャリアデザインやライフステージ毎のヘルスリテラシーに関する内容について
- 基本的にコアカリキュラムの学習目標を踏まえ、以下の項目について説明できることを目標とする。
- 栄養・嚥下理学療法部門
- 1-(1)
- 摂食嚥下の基礎知識(解剖・生理・運動学・メカニズム)
- 栄養学・代謝学の基礎知識(解剖・生理・代謝・運動)
- 栄養・嚥下理学療法が必要であることの理解(この分野に理学療法士が関わることの重要性の理解)
- 栄養障害の評価(低栄養・過剰栄養・疾病により引き起こされる栄養障害の理解)
- 栄養理学療法の基礎知識(概論含む)
- 栄養・嚥下理学療法における他職種連携
- 栄養・嚥下障害に関連する病態(血液データとの関連・バイタルサイン)
- 摂食・嚥下障害の評価
- リハビリテーション栄養概論の修得
- 摂食嚥下リハビリテーション概論の修得
- 専門用語を理解し、カンファレンス等で栄養・嚥下の問題やその対応を他者に説明できる
- 教育機関・関連学会での単位修得
- 経験者と共に栄養・嚥下理学療法が実践できる(OSCE)
- 理学療法のリスク管理として栄養学の知識が生かせる(栄養障害の理解・運動時の消費エネルギーの理解)
- 嚥下運動に関わる解剖・生理が理解・説明出来る
- 摂食・嚥下障害の評価ができる
- 嚥下機能を左右するその他の機能を理解する
- 嚥下機能改善に対して協同する職種を理解できる
- 例年の国家試験問題等を参照して、この領域に到達すべき最低限の水準を計る
- 国家試験水準の栄養嚥下理学療法が理解できる
- 栄養・嚥下に関わる問題点に対し1人で対応出来る事
- カンファレンス等で専門知識を活かし、他者に説明・助言が出来る事
- 嚥下理学療法の実践が出来る事(嚥下評価の実施とその解釈ができ、介入出来る事)
- 栄養理学療法の実践が出来る事(栄養評価の実施とその解釈ができ、介入出来る事)
- 理学療法士として介入できる範囲を理解する
- リスク管理として必要な知識
- 各疾患における栄養管理に必要な知識の修得
- 管理栄養士が行う業務との住み分け
- •協会(部門)における専門講習会の受講・試験の合格(CBTなど)
- 認定・専門理学療法士の取得、関連学会における認定資格の取得
- 症例報告の実施・提出
- カンファレンス等で他職種と議論できる
- 経験者が、VASのような数量的評価を行い、概ね一人で出来ていると判断すること
- 部門内でクリニカルラダーを作成し、その到達度を判断
- 専門用語が理解し、活用できるレベル
- 礼節・接遇・マナー(ただ、接遇としてはまだレベルが高いという意見もあります)
- 他職種連携・チームビルディング
- 管理・経営(診療報酬・社会保障制度含む)
- コンプライアンスに関する教育
- 今後、臨床実習方法の変更により、ますます臨床思考過程を進める能力の低下が予想されるので、その部分の教育を現場任せにせず、教育手法の確立を図っていただきたい。
- 理学療法士の一人ひとりが患者さんのために幅広く学習と技能を高めること
- 多職種と共通言語で議論ができる基礎的な医学知識が必要になる
- 学校保健・特別支援教育理学療法部門
- 1-(1)
- 理学療法士の職域としての学校
- 学校保健に対する理学療法士の関わり
- 特別支援教育に対する理学療法士の関わり
- 学校保健領域に理学療法士が関わっていることを知る
- 特別支援教育領域に理学療法士が関わっていることを知る
- 理学療法士として学校にかかわる際の教諭との連携について理解する
- 内部専門家として学校に参画する際に教員免許の必要性について理解する
- 教育的理学療法支援モデルについて理解する
- 本部門開催の研修会への参加者の増加
- 学校に関わる理学療法士の増加
- 大学における理学療法士養成と並行して教員免許取得(自立活動教諭、養護教諭、基礎免許等)が取得できるような教育課程の設置
- がん理学療法部門
- 1-(1)
- 疾患に関する基礎知識
- がんリハビリテーションに関連する法規
- がん理学療法の対象となる時期と目的
- 代表的ながんの周術期における原則的な理学療法評価と治療(理学療法)
- 代表的な有害事象とその評価・対応
- 終末期における理学療法の考え方と代表的な対応
- がんの特徴を説明できる
- がんのステージを説明できる
- がんの代表的な治療を説明できる
- 本法におけるがんの疫学を説明できる
- がんリハビリテーションの病期別分類に合わせた目的を説明できる
- 代表的ながんの周術期における原則的な理学療法評価と治療(理学療法)を説明できる
- 代表的な有害事象に対する評価と対応を説明できる
- リンパ浮腫に対する評価と複合的治療を説明できる
- 終末期の理学療法の考え方と代表的な対応を説明できる
- 異なる部位や病期の症例に合わせて適切に評価を行い、理学療法計画を立案し注意点を説明できる
- 下記の条件で提示された症例に対する評価のポイント、治療計画、注意点を説明できる
- 開胸・開腹術の周術期例
- 化学療法・放射線療法により骨髄抑制が強くみられる例
- 骨転移例 ・悪液質例 ・精神的な問題を抱える例
- 在宅生活を支援する必要がある例 ・リンパ浮腫例
- 終末期例
- 研究方法と研究結果の活用の仕方
- コミュニケーションスキル
- 評価スキル
- リスク管理に関するスキル
- 動物に対する理学療法部門
- 1-(1)
- 評価する力
- 患者をよく観察し、多角的に見る目
- 当然人の患者についてであり、卒業時に動物の評価ができる必要はない。
- 人でも動物でも、評価や観察を多角的な視点を持つ意識を持っていてほしい。
- 特になし
- 動物に対する教育は卒前には行わないので、卒後教育にて獣医療を人医療について学んだように1から学習する必要がある。
- 動物看護師統一認定試験の受験資格としてのコアカリキュラムのうち、手術補助の為の内容を除いたもの。今後は愛玩動物看護師の国家資格化に伴い、国家試験の為の学習内容。(令和元年6月28日公布)
- 人医療の学習で得た理学療法の知識と技術だけでは不足。獣医療に加え、動物の知識と動物とのコミュニケーション能力を養う必要がある。
- 自分で考える力を養わせること