代表運営幹事挨拶

理学療法の職域は福祉や健康増進などへ拡大していますが、医療という職域がある以上、医学的基礎に基づいたエビデンスが不可欠なことは変わらないと考えます。一般に医療技術は、沢山の培養細胞・動物を用いた検証実験が行われ、それらの一部にヒトへの臨床試験が許され、ランダム化比較試験を行いながら臨床に用いられています。しかし、理学療法では培養細胞・動物による検証やその結果としての情報がまだまだ少ない状況です。国際的にはさらに悲惨で、WCPT学会において我が国以外の報告は極めて少ない状況が続いています。また、器官系で大別された個々の疾患別理学療法における基礎的な理論体系の構築は進みつつありますが、理学療法対象者に多い複数器官系にまたがる病態に対する理学療法の総合的な応答を検証する学問体系が整っているとは言い難い状況です。そこで当学会は、設立趣旨にも述べてあるように、5つの包括する研究領域における研究成果を統合し、理学療法を支える新たな基盤的学問体系を創造し、その成果を広く発信することにより、理学療法の科学的検証に資することを通して、広く世界の人々の健康と幸福に貢献することを使命として学術活動を継続することを目的としています。
当学会の起源は1997年の日本理学療法士協会の専門領域研究部に初代部会長 藤原孝之先生(信州大学)のもとで組織された、基礎理学療法研究部会です。部会長は2003年から木村貞二先生(信州大学)、2009年から沖田実先生(長崎大学)が引き継がれながら基礎理学療法分野の教育と研究の発展のための礎を築いていただきました。2011年から部会長のバトンをいただいた小職は、学会創設のための移行期ということもあり2013年に代表運営幹事を拝命いたしました。
実は、当学会とまったく同名の日本学術会議協力学術研究団体に登録されている学会があり、研究会(理学療法の医学的基礎研究会)時代も含めると約20年間に渡り学術活動が続けられています。志も、名称と同様に当学会と全く同じです。そこで2014年から、両学会の合併へ向けて合同学会を開催してまいりました。2018年12月15-16日にはいよいよ単独での日本基礎理学療法学会学術大会(学術大会長:市橋則明、京都)を開催します。開催回数は、我が国の基礎理学療法学の歴史を外部団体から引き継ぎ、第23回と統一し、合併へ向けての最終段階と位置付けています。 
学術団体としての確固たる地位を築くべく、学際領域としての基礎理学療法学の構築に努めたいと考えております。また、臨床家、基礎理学療法学研究者、他の関連学際領域の基礎研究者が集い、議論できる場を作り、情報交換の活性化に努めたいと考えております。当学会のスムーズな立ち上げと発展のためにご協力お願い申し上げます。

 

2017年4月
日本基礎理学療法学会
代表運営幹事 河上 敬介

日本基礎理学療法学会<br>代表運営幹事 河上 敬介

日本基礎理学療法学会
代表運営幹事 河上 敬介