代表運営幹事挨拶

本邦では、2人に1人が”がん”に罹り、3人に1人が”がん”で亡くなると言われています。また、がん患者の約70%は疲労感や運動能力の低下を起こすことが知られ、がん患者に対する対策では、救命を目的とした医療整備だけでは不十分であり、生活の質の向上のためのリハビリテーションが重要となると言われています。このような背景から、2010年には診療報酬でがん患者リハビリテーション料が算定できるようになり、診療報酬の算定要件の1つである研修会が全国で開催され、がん患者に対するリハビリテーションという考え方が急速に普及し、多くの患者・家族や医療者の注目を集めています。しかし、がん患者に生じやすい骨転移やリンパ浮腫などの多彩で重篤になる可能性がある有害事象に対する理学療法や周術期や緩和期など様々な時期に応じた質の高い理学療法はまだまだ十分に提供できていないと思われます。

本理学療法部門では、科学的に検証された根拠と患者・家族の価値観、その時の環境・状況に合わせた最良の理学療法ががん患者に提供できるように、関連領域を含めた様々な知識・技術の普及と発展に務めていきたいと考えております。がん患者は毎年100万人以上が罹患すると言われ、その数は今なお増え続けています。膨大な数の患者と家族の期待に応えるためには多くの理学療法士の力が必要です。日本理学療法士協会の会員諸氏におかれましては、当部門の活動へ奮ってご参加いただけますよう心からお願い申し上げます。
 
2017年4月

がん理学療法部門
代表運営幹事 高倉保幸