第1回日本予防理学療法サテライト集会

第1回 日本予防理学療法学会サテライト集会
テーマ 介護予防事業マネジメントと市町村での取り組み事例
期日 2016年11月13日(日)
会場 東京都健康長寿医療センター研究所
集会長 大渕 修一
抄録集 PDFファイル

集会長による開会の挨拶

集会長による開会の挨拶

教育講演中の第1会場の様子

教育講演中の第1会場の様子

ポスター発表中の第2会場の様子

ポスター発表中の第2会場の様子

シンポジウムの様子

シンポジウムの様子

 去る2016年11月13日,東京都健康長寿医療センターにて,第1回日本予防理学療法学会サテライト集会が開催されました.会場の都合により定員を100名として事前参加登録を開始したものの,数日で定員いっぱいとなってしまい,急遽140名に定員を増やすこととなったほど,開催前から注目度の高さが伺えました.
 当日は,大渕修一集会長による開会の挨拶にて,地域にリハビリテーションの概念を根付かせ,セラピストが直接手を下さないリハサービスの必要性,国民の主体性を引き出すアプローチの重要性を説いて頂き,そうしたシステムを我々セラピストがどのように構築していけば良いのか,この集会でともに勉強しましょう,という言葉で幕を開けました.
 まず午前中は,霞ヶ関南病院の岡持利亘先生による教育講演,埼玉医科大学の細井俊希先生による指定演題を通じて,埼玉県における地域包括ケアシステム構築に向けた行政への働きかけのようなマクロな部分から,埼玉県毛呂山町における介護予防推進支援モデル事業で行われた具体的な活動内容の紹介,そこから派生した地域住民の活動の紹介といったミクロな部分まで網羅的に学ぶことができた上に,今後の課題も提示して頂き,参加者各々が今後活動して行く上でのひとつの指針を示して頂きました.
  午後はポスター発表から始まり,全国各地から集まった様々な演題をもとに発表者と参加者の熱いやりとりが,そこかしこで見ることができました.特に今回の集会では,活動内容とその結果や考察を示したアクションリサーチという形式の演題が大半を占め,どのように地域住民と関わっていったのか,どのように事業を展開していったのか,などといった,かなり踏み込んだ内容も,小規模であったが故にしっかり質問したり,議論したりできていたのではないかと個人的には感じました.
 ポスター発表後には,『各市町村における取り組み事例』というテーマでシンポジウムが開催されました.洲本市役所で理学療法士として働く畑山浩志先生,東京都介護予防推進広域アドバイザーとしてご活動されている首都大学東京の浅川康吉先生,病院に勤務されながら地域リハビリテーション活動支援事業にも取り組まれている赤羽中央病院の中村睦美先生といった,立場や活躍する場所の異なったシンポジストの先生方のお話を伺った後,参加者がマイクに行列を作るほど質問が集まるような熱気に包まれたシンポジウムとなりました.また,大阪府大東市役所でご活躍されている逢坂伸子先生も本集会に参加されており,集会長たっての希望で急遽ご講演頂きました.
 本集会を通じて様々な地域,そして様々な立場における介護予防事業のマネジメント活動の内容,展開方法,結果といったことを目にすることが出来,今後の介護予防事業に秘められた可能性と重要な使命を感じました.

文責:東京都リハビリテーション病院 山川諒太