第7回学会 企業後援企画(産業部門研究会)

タイトル:バイオメカニクスによる姿勢・身体動作の理解から生まれた装着型機器トランクソリューションの紹介

勝平 純司
東洋大学ライフデザイン学部人間環境デザイン学科教授


略 歴
東京大学医学部附属病院22 世紀医療センター運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座特任研究員およびトランクソリューション株式会社非常勤取締役を兼務。国際医療福祉大学大学院博士後期課程修了。同大学保健学部助手、同大学保健医療学部講師、新潟医療福祉大学医療技術学部准教授を経て、2020年4月より現職。専門分野は人間工学、バイオメカニクス
 

活 動
日本義肢装具学会、バイオメカニズム学会、日本人間工学学会の会員

論 文
Katsuhira J, Miura N, Yasui T, Mitomi T, Yamamoto S, Efficacy of a newly designed trunk orthosis with joints providing resistive force in adults with post-stroke hemiparesis Prosthetics and Orthotics International 40(1), 129-36, 2016
Katsuhira J, Matsudaira K, Oka H, Iijima S, Ito A, Yasui T, Yozu A, Efficacy of a trunk orthosis with joints providing resistive force on low back load during level walking in elderly persons. Clin Interv Aging. Vol.40(11), 1589-1597, 2016

講演要旨
本講演では身体動作のバイオメカニクスについて紹介をしつつ、健常者の姿勢や動作のバイオメカニクス的な理解から生まれた新しい装着型機器トランクソリューションについての解説を行う。トランクソリューションは骨盤前傾と体幹伸展を促しつつ体幹前面筋を賦活させる新しい装着型機器である。トランクソリューションの装着によって良姿勢の獲得につながることで、地域在住高齢者の歩行パフォーマンスやバランスパフォーマンスの改善につながることが明らかになっている。また、週2回、15分から20分程度トランクソリューションを装着した歩行を継続して実施することで、腰痛の軽減や仕事のパフォーマンスが向上することも明らかになっている。上記の内容を交えながら、トランクソリューションの効果のエビデンスについて説明する。
加えて、リハビリテーションや介護予防の現場では新型コロナウィルスの影響を受けて密集や密接を避けた介入の実施が必要となっている。現場において密集や密接を避けて介入を実施するためにトランクソリューションが有用なツールとなり得るかという点についてもあわせて解説を行っていく。