第7回学術大会 大会長メッセージ

(更新日2020.06.30)

大会開催にあたり

 今や日本は2025年に向けて未曽有の超高齢社会を迎えようとしており,この問題に日本がどのように取り組み解決していくのか世界中から注目されているところです.分科学会独立開催となった第5回大会(福岡)では,再発予防,疾病予防,健康増進をテーマとし,第6回大会(広島)でもテーマとなった健康増進は,健康寿命の延伸を図るために必要不可欠な視点となっています.
私たちが幸せな明るい社会を作って未来を切り開いていくためには,子どもたちの運動器の機能低下を予防し,スポーツを楽しむ中で生じる障害を予防し,仕事で生じる腰痛を予防し,適切な運動習慣を身につけて生活習慣病の発症を予防し,加齢変化で生じるフレイル,サルコペニア,認知症を予防することについてきちんと取り組んでいく必要があります.その中でも栄養と運動は,健康寿命の延伸には欠くことのできない大切な要素です.
 前の2大会と同様に専門的な予防的介入が求められる産業理学療法部門と栄養・嚥下理学療法部門との共同開催で行います.理学療法士が地域社会の中で,その地域にある社会資源を掘り起して活用し,その地域のニーズに合った問題に対して,有効なアイデアや介入方法,教育機会を提供し,政策に対しても助言することができれば,予防で明るい未来を拓くことが可能であると考えています.
 第7回学術大会を行う予定であった群馬県高崎市は,東京から50分で来ることができる新幹線の中継地点(上越・北陸・長野)であり,駅から徒歩10分の利便性の高い最新のコンベンションホール(Gメッセ群馬)が2020年春に竣工されました.ここをメイン会場として,秋の気候の良いなか大都市に負けない素晴らしい学会ができるよう準備を進めていました.
 しかし,昨今のCOVID-19の影響で、9月までの学会は一律中止の決定がなされました.私たちは,すでに200以上いただいていた応募演題を発表する場として,WEB学会の開催を模索し,4月末には学会運営審議会の承認を得て,日本理学療法士学会としても初めての試みとなります本学会の準備を進めて,このような事態になっても予防理学療法の研究の発展を停滞させずに前に進めていきたいと考えています.
 そのために,なるべく当初の計画を生かした以下の企画を立てました.
学術大会企画においては,予防,産業,栄養・嚥下に関する特別講演3本,ランチョンセミナーの代わりに企業後援企画として3分野の講演3本,特別企画として活動実践報告及びビデオ演題,新型コロナ感染症と理学療法など盛りだくさんの内容を計画しています.また,一般演題発表もセレクション演題は3分野でリアルタイムの発表をしていただき,その他の演題は発表スライドと発表原稿を掲載し,当日WEB上で質疑などをやり取りする時間を設けてなるべく双方向性にディスカッションができるようにする予定です.
 ぜひともご参加いただき,コロナ後の新しい世界の学会の在り方を一緒に考えていただければ幸いです.

第7回日本予防理学療法学会学術大会
第3回栄養・嚥下理学療法部門研究会
大会長・研究会長 吉田  剛
第3回産業理学療法部門研究会       
      研究会長    山崎 重人