COVID-19に関する情報(新興感染症の歴史)5
5)MERS
項目 | 国内外 | 内容 | 出典 |
流行時期 | 国内 | 症例なし | |
海外 | 2012年〜2015年 | ||
感染経路 | 国内 | 症例なし | |
海外 | ヒトコブラクダとの濃厚接触1) ヒトーヒト感染の効率は高くないと考えられるが、家族間や、医療機関における限定的なヒトーヒト感染(医療関連感染)も報告されている。一部の患者から予想を超えて多くの二次感染が起こる「suprespreading現象」も報告されている。2) |
1)厚生労働省:中東呼吸器症候群(MERS)について.https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/mers.html 2)日本感染症学会:中東呼吸器症候群(MERS).https://www.kansensho.or.jp/ref/d38.html |
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主な流行地域 | - | 【患者が報告されている国】 サウジアラビア、アラブ首長国連邦、ヨルダン、カタール、オマーン、クウェート、イエメン 【輸入症例が報告されている国】 アルジェリア、オーストラリア、バーレーン、中国、エジプト、フランス、ドイツ、ギリシャ、イラン、イタリア、レバノン、マレーシア、オランダ、フィリピン、韓国、タイ、チュニジア、トルコ、英国、米国1) |
1)厚生労働省:中東呼吸器症候群(MERS)について.https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/mers.html |
主な臨床症状 | 国内 | 症例なし | |
海外 | 【臨床症状】 無症状例から急性呼吸逼迫症候群(ARDS)を来す重症例まである。典型的な病像は、発熱、咳嗽等から始まり、急速に肺炎を発症し、しばしば呼吸管理が必要となる。下痢などの消化器症状の他、多臓器不全(特に腎不全)や敗血性ショックを伴う場合もある。高齢者及び糖尿病、腎不全などの基礎疾患を持つ者での重症傾向がより高い1)。 【診断】 咽頭拭い液、喀痰等から病原体の検出や病原体遺伝子の検出1) 【潜伏期】 2〜14日(中央値は5日程度)1) |
1)厚生労働省:中東呼吸器症候群(MERS)について.https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/mers.html |
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終息までに要した期間 | 国内 | 症例なし | |
海外 | 終息していない | ||
致死率 | 国内 | 症例なし | |
海外 | 致死率は34%と極めて高いが、報告されていない軽症例や不顕性感染例もある。 死者数858名4) |
2)日本感染症学会:中東呼吸器症候群(MERS).https://www.kansensho.or.jp/ref/d38.html 4)WHO:MERS monthly summary. https://www.who.int/emergencies/mers-cov/en/ |
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感染者数 | 国内 | 0人 | |
海外 | 2019年3月末時点で、世界で2399人の確定患者のうち2008人(83.7%)はサウジアラビアからの報告である。その他、地域での発生が確認されているのは、アラブ首長国連邦、ヨルダン、カタール、オマーン、クウェートなど中東地域の諸国に限られる。ヨーロッパや東南アジアからも報告があるが、いずれも流行地域で感染したと思われる2) 2494人4) |
2)日本感染症学会:中東呼吸器症候群(MERS).https://www.kansensho.or.jp/ref/d38.html 4)WHO:MERS monthly summary. https://www.who.int/emergencies/mers-cov/en/ |
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主な対策 (現在行われている予防策も含む) |
国内 | 症例なし | |
海外 | 【治療法】対症療法1) 【予防法】 ・手洗いなど一般的な衛生対策を心がける。 ・流行地では、ヒトコブラクダなどの動物との接触をできる限り避ける。 ・未殺菌のラクダの乳など加熱不十分な食品を避ける。 ・MERSが発生している中東諸国で、患者やラクダと接触した方は、検疫所が最大14日間の健康監視を行う場合がある。 |
1)厚生労働省:中東呼吸器症候群(MERS)について.https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/mers.html | |
発生から終息までの経緯の要約 | 国内 | 症例なし | |
海外 | 2012年9月以降、世界では、中東地域に居住または渡航歴のある者を中心にMERSの患者が報告されている。日本での報告例はない。ヒトコブラクダがMERS-CoVの主宿主であり、ヒトへの感染源となっているが、限定的なヒトーヒト感染が、感染対策が不十分な医療施設や家族内を中心に確認されている。2015年、韓国では中東で感染した1人のMERS患者を発端として、主に医療機関で感染が拡大し、計186名の確定患者が報告された。サウジアラビアでも院内感染による患者の報告が断続的に報告されている。 | 3)国立感染症研究所:中東呼吸器症候群(MERS)のリスクアセスメント(2019年10月29日現在).https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/alphabet/mers/2186-idsc/9183-mers-riskassessment-191029.html |