大会長挨拶

長寿,超高齢社会化で世界の先頭を走る我が国では,疾病・障害を有する,あるいは重複する人々が増え,保健・医療・福祉の領域で適切な理学療法のニーズが高まっています.これまで,理学療法は身体,生活機能の改善を日的として発展してきましたが.呼吸,循環,代謝領域の理学療法(運動療法)は,再発・重篤化予防,生命予後の改善にもつながることも示唆される時代を迎えています.

脳血管,運動器疾患領域においても,呼吸,循環,代謝疾患・障害を伴う方々が増え,これらも踏まえた個別理学療法プログラムが望まれています.その際,エビデンスとリスク管理が比較的整っている呼吸,循環,代謝系の理学療法の知識と技術が活かされるべきではないでしょうか.

そこで,呼吸,心血管,糖尿病の3分科学会は合同,同一会場で本学会を開催することにいたしました.領域固有の疾患・障害,あるいは領域をまたぐ重複障害患者に対する理学療法の知識・経験の共有はもとより,脳血管,運動器領域の疾患・障害の患者に対しても,3領域の知見を踏まえた理学療法が有用である事を確認出来る学術大会にしたいと考えております.

分科学会移行の側面として,分科横断的な研究発表,情報収集が難しくなる可能性もあります.合同学会とする目的の一つとは,意欲的な理学療法士への学術発表機会の提供で,約200演題の発表の場を確保いたしました.発表者・参加者が新たな知見を発表・傾聴・討議し,今後の臨床内容を高める端緒を掴める学術大会を目指しますので,「夏のみなとみらい」へ多くの会員の皆様が訪れ,実りあるディスカッションを繰り広げて下さりますよう,よろしくお願い申し上げます.
 

第2回日本呼吸・心血管・糖尿病理学療法学会合同学術大会
合同大会長 大平 雅美 (信州大学医学部保健学科)