研究デザイン:
横断研究
対象:
1987年に改訂されたアメリカリウマチ学会の診断基準を満たしたRA患者9名およびコントロール群として健常者9名。
調査方法:
身体運動は、4×4×2mの捕捉野をもつ赤外線ストロボスコープを備えた8台のビデオカメラを用いた、3次元運動分析ELITEシステムを使用して、床面の4mの直線に沿った裸足歩行を記録した。反射マーカー(直径15mm)は第5MTP関節外側、外果、脛骨外側上顆、大転子、前後の腸骨棘、肩峰上腕関節の皮膚に取り付けた。RA患者は自己選択速度(NS)および速歩(HS)の2つの異なる速度での歩行を、コントロール群はNSで10回、そしてゆっくりした速度からHSまでの範囲で異なるスピードの歩行を21回行った。
評価:
MTP関節のROM評価はELITEシステムを用いて関節を最大に底屈した後、最大に背屈させて、各マーカーの空間的座標からROMを算出した。歩行は2群の歩行速度を対応させて、コントロール群の値に対する患者のNSおよびHSを比較した。歩行分析は、a principal component analysisを用いて下肢の各部位間(大腿、下腿、足部)の協働の時間的-空間的構成を評価した。さらに、MTP関節のendpointでの動きや床反力計を用いて収集した動力学的データを運動学的データと同調させて検討した。
統計解析:
平均値および標準偏差はすべての歩行サイクルから算定した。歩行パラメーターはMann Whitneyテストを用いてコントロール群から得られたデータと比較した。関節可動域制限と通常歩容あるいは空間的角度との相関はSpearmanの相関を用いて評価した。統計学的有意差は5%未満と定義した。