・研究報告の選択
大腿骨近位部骨折後の地域在住者を対象として、一定期間で運動療法を終了した者と長期的に運動療法を継続した者とをランダム化比較試験で比較しているすべての研究報告を選択した。運動療法の期間は、研究報告された国によって代表的な値を基準に、その期間を越えて延長した場合を設定している。長期的運動療法プログラムは、退院後に自宅または地域で実施されていた。
・データの抽出と統合:
対象とした研究報告のデータを要約するステップと、11個の機能的アウトカムに関する効果量(ES)・95%信頼区間(95%CI)をプールして求めるステップに分け、2名の検者が各ステップを独立に評価した。機能的アウトカムは、①患側の膝伸展筋力、②健側の膝伸展筋力、③バランス(Berg Balance Scale、Functional Reach Test、distance test、高齢者用global balance measureの4種類の指標を使用)、④パフォーマンステスト(Tinetti Performance-Oriented Mobility Assessment-part 2、Physical Performance Testの原版または修正版、Physical Performance Mobility Examinationの4種類の指標を使用)、⑤最大歩行速度、⑥至適歩行速度、⑦Timed ”Up&Go” Test(TUG)、⑧6分間歩行テスト(6MWT)、⑨日常生活活動(ADL)、⑩手段的ADL(IADL)、⑪36-item Short Form Health Surveyの身体機能サブスケール(SF-36-PF)とした。