研究介入の属性選択として、2,468人の地域在住高齢者(70歳以上)を対象とし、まず2,000人選出した。各1,000人ずつに分け、各168人、139人から返信をもらい、さらに評価と選出を行い153人、127人に絞った。その後、非介入群であるコントロール群:CG80名、筋力強化・バランス練習・転倒リスクへの教育への介入群:MG73名、筋力強化・バランス練習介入群:SBG63名、筋力強化・バランス練習・フィットネス介入群:FG64名へ無作為に分けた。その後、介入6ヶ月、12ヶ月、24ヶ月と定期的に評価等行い、最終的にCG 52名、MG 58名、SBG 49名、FG 48名であった。属性やベースライン(介入時の評価数値)は最終終了者ではなく、介入時の初期人数で検討した。6か月、12ヶ月、24ヶ月の評価は、それぞれの評価時期の対象人数で検定を行った。
属性は、平均年齢、男女比、教育歴、収入、独居率、服薬数、認知状態、転倒への恐怖心、過去半年の転倒歴、毎日の歩行歴(毎日歩くかどうか)の計10項目である。教育歴と転倒への恐怖心で若干のグループ間差があるが、比較的まとまった属性を各グループもっている。それぞれのグループの達成率は、グループ間に有意差なく高い参加率(介入率)を得られた。また、介入中も問題なく遂行できた。
身体機能の総合的な結果では、CGに比較して介入群は良好な成績をあげたが、とくにSBGとFGが良好であった。介入6か月後の評価では、TUGで介入群が有意に良好な成績であった。12ヶ月、24ヶ月後もSBGやFGは、歩行速度や下肢筋力、バランス機能で良好な成績を修めた。MGは、特に秀でた良好な結果は得られなかった。FGが一番良好な成績であり、やはり筋力強化とバランス運動、フィットネスと身体活動に関与した効果が結果として表れた。
心理面では、特に有意な差はみられなかった。介入中の転倒は、全体で297回報告され、各群ともに差異はなく、怪我を伴う転倒も各群ともに似たようなものであった。